ワインリスト
コンコン クヴェヴリ 2020
konkon kvevri 2020
蔵出し参考価格 | 税別3,000円(3,300円) |
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生産本数 | 1,680本 |
栽培責任者 | 近藤良介 |
ぶどう生産地 | KONDOヴィンヤード タプ・コプ農場(三笠市)56% モセウシ農場(岩見沢市栗沢町)44% |
品種 |
混植区のぶどう8種 |
農薬 | 化学肥料、除草剤不使用。 ボルドー系農薬5回と、殺菌剤1回、殺虫剤1回使用 |
ぶどう収穫日 | 2020年10月17日~24日 |
瓶詰日 | 2021年9月28日 |
試飲レポート
試飲日 | コメント | 現状 | 今後 |
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2022/12/17 |
ようやく透明感が出る。香りのボリュームが増し、口中の複雑さも出始める。 |
◎
○
△
×
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1年待てば化けそう。 |
2023/01/20 |
香りの複雑さ増す。中盤の平坦さからアフターにかけての一体感が少ない。 |
◎
○
△
×
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まだぶれが多い期間か |
2023/02/04 |
香りの複雑さ増す。1/20よりも一体感。味の引き締まり増す。 |
◎
○
△
×
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まとまりつつある |
2023/02/07 |
香りの複雑さ、トラミナーが前に出ている。濁りがもう少し取れれば。 |
◎
○
△
×
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上向き |
2023/02/25 |
香りの複雑さ、味の引き締まり増す。立体的な味わいがまとまってきた。 |
◎
○
△
×
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上向き。さらに伸びそう。 |
2024/01/20 |
濁り強いので数日立ててから飲むべし。個人的には上澄みの方が味の焦点が合っていて好み。香りはスパイシーで複雑 |
◎
○
△
×
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もう少し落ち着かせたい。2025~ 抜栓後数日の時間をかけて飲むと面白い |
仕込み方法
ぶどうは全て網で除梗し、手動式ローラー破砕機で破砕をしたのちに、モセウシ混植区のぶどうをジョージア産750Lクヴェヴリに、タプ・コプ混植区を620Lクヴェヴリに仕込み。一部ピノ・グリだけは別に単独で斜里窯クヴェヴリに。約1ヶ月間のピジャージュの後クヴェヴリに蓋をして静置。4月にタプ・コプロットとピノ・グリをプレス、9月にモセウシをプレスし、全てブレンドして瓶詰め。無濾過。清澄剤、添加剤等不使用。亜硫酸無添加。
2020年は過去最高の豊作の年になり、タプ・コプ、モセウシともに慌ただしい収穫時期でした。暑い夏を越えて混植区のそれぞれのぶどうもバランスよく熟し、これまで試行錯誤を続けた3年間のクヴェヴリ仕込みにも一定の方向性を見出せそうな、期待感のある仕込みになりました。
北海道のクヴェヴリ仕込みは、本場のジョージアと異なり低温化での発酵、熟成期間を経るため、全ての微生物活動を終えるための醸し期間が、本場に比べて長期化する傾向にあります。これまで、2019年を除き約1年の醸し期間を基本としてきましたが、ここ数年北海道でも夏場の高温に見舞われ、その間、クヴェヴリ内で良からぬ....微生物が動くリスクも感じていたことから、2つのうちの1つのクヴェヴリは春までの半年間で醸しをやめ、両者の違いを比較しました。結果的にどちらの方法にも理があることがわかり、今後2021年以降の仕込みではようやく一つの答えが導き出せそうでわくわくしています。
リリース直後は大量の澱が舞い、視覚と比例して味わいにも正直なところまとまりがありません。瓶を立てて静置し(DIAMという特殊コルクを使用していることと、酸化耐性の強い造りのため立てて置いても品質への影響は少ないと考えています)、完全に透明になってきた時が飲み頃です。
2021年3月時点では、オレンジ、クローブなどのスパイスを伴ったアロマティックな香り、その中に漬物のような懐かしさも感じます。口中のタンニンは長期醸しから想像されるよりも柔らかく、オレンジの皮のような仄かな苦みと旨み、最後はすっきりと北国の白系ぶどうで造られたことを感じる酸で締めてくれます。半年から1年間この大地のエネルギーをじっくり取り込んだ(と勝手に感じている)複雑性が、数年の熟成によりまろやかさと旨みの凝縮という形で生まれると予感しています。
2017年からの「北海道的クヴェヴリ試行錯誤4部作」は、これにて完結の予定です。長かった…。