ワインリスト
タプ・コプ ブラン Z 2020
Tap-kop Blanc–z 2020
蔵出し参考価格 | 税別2,900円(3,190円) |
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生産本数 | 1,894本 |
栽培責任者 | 近藤良介 |
醸造責任者 | 近藤良介 |
ぶどう生産地 | KONDOヴィンヤード タプ・コプ農場(三笠市)85% モセウシ農場(岩見沢市栗沢町)15% |
品種 | ソーヴィニョン・ブラン97%、シャルドネ 3% |
農薬 | 化学肥料、除草剤不使用。 ボルドー系農薬5回と、殺菌剤1回、殺虫剤1回使用 |
ぶどう収穫日 | 2020年10月22,27,28日 |
瓶詰日 | 2022年7月12日 |
仕込み方法
垂直バスケット式プレス機で36時間をかけて房ごとプレス。発酵前おり引き(デブルバージュ)はせずに600L樽とステンレス樽に重力で移したあと、自然酵母により発酵。同じ容器でそのまま9か月間発酵を継続、熟成させ、大きなステンレスタンクにブレンドし、さらに12か月の熟成。無濾過、清澄剤、添加剤等不使用。総亜硫酸40ppm添加。
ああ、とうとうやってしまった…。そんな嘆き節から書き出さなければなりません(涙)。過去最高収量の2020年だというのに、結果としてのワインには素直に喜べない自分がいます。
飲めばわかることなので正直に書きますが、酢酸が出ています。自分のワインとしては初めての経験です。糖分が残ったタンク内のワインで良からぬ乳酸菌が働き、徐々にツンと尖った酢酸を生成したという状況です。これまで、発酵が停止したとしても最終的にはやや甘口の”z”としてうまく仕上がっていたことにあぐらをかいていた自分自身に猛烈に反省しています。
2020年、ソーヴィニョン・ブランの状態は健全でした。生育期の天候は安定し、わずかに収穫期に雨が当たったものの熟度は高く、例年通りゆっくりとプレスにかけ、大樽と樽型ステンレスタンクへと。仕込み量が多かったことで小分けにステンレスタンクに仕込まざるを得なかったことも発酵停止の一因だったかもしれません。自然酵母の限界を感じた時に培養酵母を使う案が頭をよぎったものの、結果的にその選択もできず。何を書いても言い訳なのですが…。
このままだとネガティブすぎるので良い部分も探して書きます。香りは洋ナシやパイナップル、熟度の高さが感じられる分、揮発酸のニュアンスも清涼感の範囲に収まるかもしれません。ただ飲み込んで喉元を過ぎる頃に刺激的な酸がチクリ。南国果実のボリューム感と蜂蜜の様な甘さ、それに2年越しのタンク暮らしで顔をのぞかせた白トリュフ的な熟成感で何とかワインとしての地位に踏みとどまってくれている、そんな印象です。ぜひコテコテの揚げ物などと合わせて、口の中をさっぱりさせる飲み方をして下さい。
飲み頃はズバリ現在。今後、さらに酢酸が強まる可能性を否定できないので、しっかり冷やして早めに飲むことをお勧めします。自戒の意味を込めて、価格も2011以来10年ぶりに税別2,000円台としました。次こそは!